台湾で国家発展基金(国発基金)の創業天使投資を受けるまで ― 申請から撥款までの実務(当事者の実体験)
台湾には、行政院 国家発展基金(国発基金)が民間のエンジェル投資家と1:1で共同出資する「創業天使投資方案」があります。当社の台湾法人(未來網路)が2023年に実際に採択・出資を受けた経験をもとに、申請から審査・撥款までの実務を整理します。
創業天使投資方案とは
行政院 国家発展基金が、審査を通過した新創企業に対し、民間のエンジェル投資家と原則1:1の比率で共同出資する制度です。融資(借入)ではなく「出資(株式引受)」である点が補助金と大きく異なります。実行機関は中華民國創業投資商業同業公會(TVCA)が担います。
対象の要件
設立からおおむね8年以内、払込資本または累計調達額が一定額(例:新台幣1億元)以下などの要件があります。共同出資となるエンジェル投資家の確保が前提で、当社の場合もエンジェル投資家と1:1で参加しました。
申請から撥款までの流れ
①TVCA(実行機関)へ申請 → ②投資評估審議会での審議 → ③承認後に投資条件(1株あたり価格・投資額)を確定 → ④信託銀行(中國信託等)の信託口座を通じた撥款、という流れです。承認は函(公文書)で通知されます。
当社の実例(2023年・未來網路)
2023年、当社の台湾法人 未來網路が本方案の審議を通過。エンジェル投資家 潘才俊氏と1:1で共同参加し、投資評価審議報告に基づき出資が実行されました。国発基金の函と信託口座からの撥款通知が一次証憑として残ります。
日本企業が活用する際の注意点
本方案は台湾法人が対象のため、まず台湾で法人を設立していることが前提です。申請書・事業計画は繁体字での作成が必要で、要件の読み解きと台湾のエンジェル投資家ネットワークへのアクセスが成否を分けます。
まとめ
国発基金の創業天使投資は「政府がエンジェルと共同で出資する」台湾ならではの制度です。補助金と違い出資なので、資本政策(株主構成)への影響も設計に含める必要があります。当社は当事者としてこの一連を実行しました。